トピック 11−022 スギタニルリシジミの新食樹000000000
産卵 (2011.05.02.群馬県桐生市桐生川上流域) 多くの文献や報文、伝聞等で、スギタニルリシジミの食樹がフジを利用していることは 公知であるが、平地でのスギタニのシーズンも終りの時期、自然状態で自生の000 「ノダフジ」に産卵する♀を目撃した。00000000000000000000000000000 撮影は悪条件だったが産卵姿と産付卵を記録した。0000000000000000000 産付卵 孵化脱出後の卵殻 中央から脱出し卵殻は残す 更に、検証のために産付卵の飼育を試み、ステージ幼虫→蛹までの生育を確認した。 5令初0000000000000000000000 00000000000005令老熟 花に潜り摂食 5令・老熟 鮮やかな橙色を呈す 蛹 蛹体は厚く硬い
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羽化 (2012.03.28.)
蛹は無事に越冬後 ♂個体として羽化した
食樹としてのノダフジの確証を得た
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かつて、深山幽谷の分布種が近年低山地に拡大してきている現状を 見て、その一因が「ノダフジ」への食性拡大だとすればうなずける。 平野が低山地麓に広がる当地北関東域に本来の食樹:トチノキの自生しない域に 多くのスギタニルリシジミが見られる現象は杉林縁に覆い被さるように繁茂するノダ フジへの食性依存/転換が始まりつつあることを示唆しているようだ。00000000 桐生市梅田町、足利市名草町、樺崎町、佐野市飛駒町、葛生町各地域の低山麓に 自生するノダフジとそれを食する幼虫を探索したが、葛生町にて5頭のうち3頭が、0 スギタニルリシジミであることを検証した(他の2頭はルリシジミであった)。初期発見の 梅田町の幼虫も同様に約60%がスギタニだった。 更なる検証を継続したい。000 ノダフジの自生状況 |